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税務経営情報 vol.278

~ 知ってしまった!~

「精進」という言葉を調べてみると、①雑念を去り、仏道修行に専心する事、確かに修業はしますが仏道に行くわけではないのであまり関係がないな。②一定の期間行い慎み身を清める事、おーこれだこれだ。毎年恒例になってきました「大峰山での修行」です。大峰山に登る前には、役行者(えんのぎょうじゃ)さんに倣って1ヵ月か2,3週間前(正確にわからないところが既になってません)には精進を始めるそうです。身を清めるために私たちができることは、魚介類や肉類を用いずに穀物・野菜などの料理を食べる精進料理を食べることです。

一定期間精進料理を食べることはわかりましたが、実際何を食べたらいいのでしょうか。焼きサバ定食、刺身定食なども論外、から揚げ定食、とんかつ定食などはもっと論外。麺類では、ラーメン定食、うどん定食これもだめ。うどんは出汁がカツオのためだめだそうです(と言われました)。昆布だしのざるそばならいけそう。あとごはん、味噌汁、根菜煮、海苔で食べることはできますね。そう考えると身の回りの食事は、ほとんど精進料理にはほど遠いものです。始めに言っておきますが、いいわけではありません。精進料理を一定期間食べて修行することがどんなに大変かをわかっていただけたらと思います。

その一定期間中、家で精進料理に近い食事をするならまだましですが、いつもの通り夜のお仕事が多い身の上、必然的に食事は精進料理には、はるかかけ離れたものとなっていきました。しかし気持ちだけ精進している気でいました。

そして大峰山での修行の日。いつもの通り白装束を身にまとい、数珠と杖をもって山に登ります。しかしその前には恒例の「水行」が待っています。洞川・龍泉寺の境内でふんどし一丁に着替えて、山から湧き出る池で身を清めます。今年は台風の影響で朝からずっと雨だったので気温が低く、さらには水温は相変わらず冷たい中で一定期間、般若心経を三回ほど唱えて身を清めます。清められるか別にしてこの間我慢できるかです。水に浸かるとすぐに逃げ出したくなります。水が冷たすぎるので、足の血管が収縮するため正座をした時のように足が痺れてきます。100人ぐらいの人数がその池に入るので全員揃うのに時間がかかります。
その待っている時間がきついのです。じっとしていれば体の周りの水温が体になじんでくるのですが、人が動くとその分新しい水がやってくるので、ずっと新鮮な水が体をすり抜けていきます。そういう状態をわかっていて、あえて最初に前の方に行きます。心のどこかで精進をしていない引け目を感じているのでしょうかね(笑)

水行を済ませると、次は山を登ります。今年は登りからずっと雨だったので、合羽を着ての登山でした。合羽を着ないと体が冷えるし、着ていたら合羽の中が蒸れてくるので調節が難しい登山でした。

image006いつもなら山頂の宿坊で泊まって、早朝に下りてくるのですが今年は山頂での修行を終えてすぐに下山しました。毎年山頂で泊まるチームと下山するチームがあるのは知っていたのですが、せっかく上った大峰山の頂でゆっくりすればいいのにと思っていました。それに結構下山チームの人数が多いのに疑問を感じていました。私たちは、いつもは山頂で夕べの集いが終わった後には隠れて乾杯をしていました(一応修行中だしアルコールはだめだと思っていました)。

しかし今年はすぐに下山をして宿坊に入ると、下山チームはすぐにお風呂に入ります。お風呂は温泉で、広いし足を伸ばしてゆっくり浸かれます。さらに驚いたのは夜の食事です。山頂で食べる精進料理は、みなさんが想像する通りのご飯と味噌汁、根菜煮、昆布と漬物のまさしく精進料理なのですが、下山して食べる料理は、精進料理なのですがおかずが二品多いのです!

とうふとがんもどきがついてあり、もっと驚くことに公然と瓶ビールがついてくるのです!!それも大瓶!!!いつも山頂で350mlの缶を500円で買い、隠れて飲んでいたことがなんだったのか。下山チームの下での生活を知ってしまった瞬間でした。そりゃ下山する人が多いわけですわ。その日は登ってすぐ下山なので体はしんどいですが、下でゆっくり休めるので次の日の体調が全然違います(ちなみに次の日も修行が続くので)。

修業が終わり帰り道中で、毎年山頂で泊まっている顔見知りのメンバーが、今年は下で泊まったのですねと言った時の目が忘れられません。さて来年はどうしましょう?

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( 岡 本 清 臣 )

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次回より順に紹介していきます。

( 税務署のホームページより抜粋 )