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税務経営情報 Vol.217

~30年来の連れが・・・!~

私は30年来ずっと一緒で、片時も離れたことがないものがあります。
30年というと、ランドセルを背負っていた小学校の頃から、青春のまっただ中、また社会人になっても一緒だったということです。コレのせいで、対外的には特に困ったことはなかったと思いますが、ただ30年というと、私の人生の大半を一緒に過ごしていることになるので、決別することになかなか踏ん切りがつきませんでした。しかし、先日やっぱり決別しなければいけないと思う事件が起きました。
 その事件というのは、家族でスケート場に行った時のことです。もちろん、スケート場なので、スケート靴を履きますよね?普通の靴と違って、靴の底にブレードと呼ばれるものが付けられていて、両足に均等に体重がかかることが前提で作られています。そしてその細いブレードの上にバランスを取って立ち、滑り回ることができます。しかし何らかの理由で体重が均等にかかっていないと、どちらかが傾いてしまいバランスが悪くなりますよね。また同じように両足を板の上に乗せてするスポーツとして、スキーがあります。これも体重が均等にかかっていないとバランスが悪くなり、上手に滑れなくなります。そのことを先日スケートに行って私の右足のブレードが外側に向いており、バランス良く滑ることができないことを再実感させられたのです。
私の普段の生活の中において、ビジネス靴の右足のかかとが異様な減り方をするぐらいで、コレを特に気にすることもありませんでした。また最近では本格的にスポーツをすることもなかったし、特にコレが顕著に分かるウインタースポーツも、社会人になってからは仕事柄行けなくなり、今の今まであまり気にしていませんでした。
しかし今回久しぶりに体験したことによって、30年共に過ごしたコレとやっと決別することにしました。
そして次に決別しようと思ったのはいいが、どこの病院の何科に行ったら良いのか分からないので、まずネットで調べてみました。するとコレの病名は、鶏眼(けいがん)とでてきました。鶏眼とは、皮膚の角質層の異常である。別名を魚の目(うおのめ)とも言う。特に足の裏の表皮の角質層が真皮内に向かって肥厚増殖する現象で、白色または黄白色の円形状をなす事が多い。刺激すると痛みを覚える。表皮の部分的切除では完治せず、刺激により拡大増殖を助長することもある。よって、皮膚科の医師による治療が好ましいとありました。
そう30年来連れ添ったコレとは、「魚の目」だったのです。今まで削ったり薬を塗ったりと自分で治療をしていましたが、全然直らずあきらめていました。しかし今回は思い立ってすぐに皮膚科に行き治療を始めました。私としては、30年共に過ごした魚の目ですし、治療時間がかかるのかと思いきや、毎回の治療時間は1分ほどであっという間に終わり、順番を待つ時間の方が長かったぐらいです。治療方法は、液体窒素を使って「芯」を焼き切る方法でした。少しずつ少しずつ「芯」を潰していくので、結局2ヶ月ほどかかりましたが、やっと先日終わりました。
  これで、普通の生活(何が普通か分かりませんが)に戻れるかと思うと嬉しくなります。実はもう一つ決別したいと思う理由がありまして、それは和太鼓(やっぱりそこか!)です。両足で踏ん張って太鼓を叩く時に両足でしっかり踏みしめなければなりません。そのときに結構痛かったので、それともおさらばできるので本当に良かったです(これでもっと上手になるかな?)。
若い頃は、行け行けどんどんで行けていましたが、最近はそうもいかなくなってきていると実感するようになりました。年齢と共に体のケアも大事にしないといけませんね。

(岡 本  清 臣)

~裁判員制度~

Ⅰ 刑事裁判に関する基礎知識編
②刑事裁判の流れ
●第一審の刑事裁判の流れ
・証拠を取り調べる
次に,裁判所は,争点について判断するのに必要な証拠を取り調べます。
まず,検察官が,証拠によって証明しようとする事実関係を主張します(冒頭陳述)。ここでは,どの証拠でどのような事実を証明しようとしているのか,それが争点との関係でどのような意味を持つのかが明らかにされます。
被告人が有罪であることは検察官が証明する責任を負っていますが,弁護人が,被告人に有利な事情(被告人にいわゆるアリバイがあることや,被害者との間で示談が成立していることなど)を示す証拠を出すこともあります。
裁判所は,これらの証拠を見たり,聞いたりして,事実を認定し,争点について判断をしていくのです。

・検察官・弁護人の意見を聞く
証拠の取調べが終わると,検察官と弁護人は,証拠に基づいて,被告人が有罪かどうか,刑の重さなどについて意見を述べます。いわば,それぞれの立場からの意見の総まとめといったところです。
その後,被告人も,事件について最終的な意見を述べます。これで,法廷での手続が終わります。ここまでの手続を総称して「審理」といいます。

・判決を宣告する
裁判所は,法廷で取り調べた証拠に基づいて,被告人が有罪かどうか,有罪の場合にはどのような刑にするかについて議論をして(これを「評議」といいます。),結論を決めます。
そして,法廷で最終的な結論(判決)を宣告します。

コラム 分かりやすい刑事裁判を実現するために① ~公判前整理手続~
公判前整理手続は,最初の公判期日の前に,裁判所,検察官,弁護人が,争点を明確にした上,これを判断するための証拠を厳選し,審理計画を立てることを目的とする手続です。
  これまでの刑事裁判,特に争点が複雑な事件などでは,事案の真相を解明するため,大量の書類を証拠として採用し,また,証人に対しても長時間にわたり詳細な尋問を行った上,裁判官がこれらの書類や証人尋問の記録(調書)を読み込んで判断をするという審理が少なくありませんでした。
 しかし,裁判員の負担を考えると,大量の証拠書類を読んでもらうことや,長時間にわたる詳細な証人尋問の内容を理解してもらうのは大変です。そこで,裁判員裁判では,法廷での審理を見聞きするだけで争点に対する判断ができるような審理をしなければなりません。そのためには,何よりも,争点をシンプルな形にした上で,これを証明するための証拠を最良のものに厳選することが必要です。裁判員法が,裁判員裁判ではすべての事件で公判前整理手続を行わなければならないとしているのは,このような考えからなのです。
 公判前整理手続は,審理の進行を担う裁判所のリードのもとで行われ,検察官及び弁護人双方が,証拠により証明しようとする具体的事実(証明予定事実)及びこれを立証するための証拠を請求するとともに,その内容を相手方に示します(証拠の開示)。これに対し,双方は,相手方の証明予定事実をどのように争うかを具体的に明らかにしながら,争点を絞っていきます。これまでは,請求予定のもの以外の検察官の手持ち証拠が開示されないことを理由に,弁護人が,早期に主張を明らかにしたり争点を絞ることに難色を示すこともありました。公判前整理手続では,このような手持ち証拠の開示に関する争いも裁判所が裁定しますので,弁護人が早期に主張を明らかにしやすい環境ができます。また,公判前整理手続では,証拠の採否の決定,公判期日の指定なども行われ,具体的な審理計画が立てられます。
 もっとも,公判前整理手続により争点を絞り,証拠を厳選するためには,特に,これに向けた検察官及び弁護人による積極的な取組と手続への習熟が必要です。そのようなことから,公判前整理手続は,裁判員制度の実施に先立って平成17年11月から実施されています。各地の裁判所では,裁判員裁判の実施に向けて,多くの経験を積み重ねているところです。