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税務経営情報 Vol.232

~お坊さんにお説教!~

 お坊さんにセミナーを開いてほしいと依頼がありました。お坊さん!ってお寺の住職さんですよね!もちろん仏教ですよね!私のところは仏教ではなく神道ですよと、心の中で叫びながら依頼を引き受けました。なぜ私にきたのかとよくよく聞いてみると、お坊さんが集まって勉強会を開き始めたそうで、そこで税務等の勉強会を開いていてほしいと税理士会にオファーがあり、そこから今年の1月に税理士向けに行った「宗教法人の税務と会計」のセミナーの話を聞いて私に白羽の矢が当たったというわけです。
 いろいろ税理士会とかでやっているとなにかと役が回ってきたり大変なのですが、その反面こういう面白い話もまわってきて楽しいですね。
 さてお坊さんはなぜ勉強会を開こうと思ってやっているのか、またなぜ税務に興味があるのか。だって、お坊さんになるのに沢山の修行をしてきて、宗教を広めるために日々努力をされているのに、なぜ税金が絡んでくるのか!
 お寺や神社などは、一般的に法人(個人ではあり得ません)に分類されるので、税法の扱いも法人税法になります。したがって巷にある株式会社と同じになります。しかしお布施であるとか戒名料などの収入がありますが、宗教法人の一番の存在目的が宗教を広めるためとあるので、それらの収入は非課税となるので法人税がかからないはずなのに…。
 ひとつには景気が低迷しているので、本来納めるべき法人のほとんどが赤字となっているので国の税収が下がっているため、同じ法人である宗教法人に目を向けてきている(いわゆる税務調査)ためです。普通に宗教を広めるための活動しかしていなければ、お坊さんとかに払う給料の源泉所得税しかないのですが、中には自動販売機を置いていたり、駐車場を経営していたりするとこれは宗教活動に当たらないので、法人税の課税対象となります。それを知ってか知らずかそのままにして、何も申告をしていないところもあるそうです。そのためある地域では、調査が順番にまわっているそうです。お坊さんたちは、お坊さんになるためにたくさん修行をしてきているせいか、帳簿をつけるとか領収書をとっておくとかいわゆる俗世のことは全くと言っていいほど無関心なため(今回のセミナーでは若手が多かったので)、無防備であるため、その対策の為に専門家に話を聞きたいとのことが一つでした。
 もうひとつは、お寺を継続させていくのにどうしたらいいのかということでした。恐らくこちらの方が主だったのでしょう。その派生として、税金の話や年金の話(老後の安心の為)が出てきたのでしょうね。ひと昔前(今でもあるのかな?)では、坊主頭でいい車に乗っていたり、夜は高級スナック
ではべらしていたりとかで、やっかみで「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」とか言われていました。しかし最近では、大きい有名な宗教法人ならそうじゃないのかも知れませんが、ほとんどのところで檀家さんの数が減り、本来宗教法人に入るべき収入が減ってきているそうです。また後継者問題も、宗教法人もしかりで普通の株式会社と同じでいろいろあるそうです。
 図1セミナーは当初1時間半という話だったのですが、参加者の方々に聞きながら話していると税金の話で終わらそうと思っていたのですが、結局お坊さんに対して人生相談に発展しきました。しかし、当初予定していなかったとこにまで話が及んできたので、時間通りに終わらせることができなくなり、大幅にオーバーしてしまいました。それでも足りないぐらいだったので、とりあえず終了してから個別相談にしました。
 お坊さんであろうと生き残りをかけて必死な姿を見て、こちらも感慨深くなり今回こういう場があったことに感謝しました(合掌)。 

( 岡 本 清 臣 )

~裁判員制度~

Ⅲ 裁判員が参加する裁判・評議の具体的イメージ編
◆証拠調べ手続き(証書の取調べ等)

図2図3

《「裁判員制度ナビゲーション」より抜粋 》