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税務経営情報 Vol.208

~根負け!?~

 ある時自宅の敷地内で、エアコンの室外機が置いてある通路があるのですが、そこにこんもりとそれも結構大きくなっている葉っぱが生えているのを発見しました。その葉っぱの名前は分からないのですが、昔に雨が降った時に傘の代わりに利用した葉っぱのような形をしていました。その葉っぱが、5、6枚青々と茂っていました。通路が通れないくらい、そしてお隣の家にはみ出していました。
 始めは、砂利を轢いてある日陰で何かはえてきたなぁと観察しながら、心の中で、「私もこの雑草のようにどこにでも根を生やして、必死に生きていかなければ」と感心しながらそう思っていました。その時は、少しかわいそうな気がしたので抜かずに置いておきました。それが、後になって仇となりました。
 8月の終わりに私が留守の時に、子供達の顔を見に近所に住んでいる妻のお父さんが来られました。その時に、庭の雑草抜きをしていただきました。ちなみに、私自身たまに気が向いた時に雑草抜きをしていますよ(笑)。その時に例の葉っぱを発見したらしく、抜こうとしたらしいのですが抜けないので「上だけ切っておいたし、ちゃんと処理しておきや。」と言われました。私の庭いじりの短い経験の中では、砂利が轢いてあるところにはえている雑草は根が土に着いていないので簡単に抜けるものだと高を括っていましたが、ベテランのお父さんがそういう風に言っているのを聞き相当だなと感じました。
 その後すぐに処理する間もなく、9月に突入したある日曜日の天気のいい朝、妻が家の用事をしておりまた子供達が宿題をしている間、私は手持ち無沙汰になりごろごろしていました。しかし、子供の手前ラジオやテレビを付けることもできず、妻の視線に耐えられなくなり庭に出ました。そういえば、お父さんが抜いた例の葉っぱを処理するようにと言っていた事を思い出しました。そしてスコップを持って見に行きました。すると葉っぱの茎だけが残っているかと思っていましたが、茎どころではなく直径2、3センチぐらいの木の切り株みたいになっていました!
 そして、まず砂利をどけ、次に土が見え始めたので掘り始めました。その時点で既に10センチぐらいありました。引っ張って抜けるかと思い思いっきり引っ張りました。しかし折れるだけで、びくともしませんでした。そして、地道にまた掘り始め、何度も引っ張っては折れ、掘っては引っ張っていました。根っことの根比べになりました。夢中で掘っていると、興味津々で家の隣の方が出て来られました。そして、例の葉っぱの根っこを抜くのに掘っている穴を見て深さにびっくり、根っこの長さにびっくり。確かに私自身子供の時から考えて、あんなに深い穴を掘った記憶がありませんでした。結局写真のような長い根っこになりました。しかも、最後まで引き抜いたわけではなく、私の方が根負けしてしまいました。
 しかし、一応根っこの先に黒いビニールをまきつけ、伸びてこないように処理をしましたが、どれほどの効果があるか分かりません・・・。雑草、いや雑木の根っこというのは、恐ろしいですね。やはり、早期発見・早期処理をしないといけませんね。

11月9日(日)午後1時から3時頃まで、京都二条城の桜の園で「日本太鼓ジュニアコンクール 京都府予選」が行われます。そこで、私の息子(チーム感動ジュニア)が初参加します。ちなみに私(チーム感動)も一般の部で演奏します。そのために親子揃って一生懸命練習しています。どうなったかは、次月号をお楽しみに!

~事業承継問題~

●●事業承継方法ごとの具体的な対策の実行●●
(3)M&Aを検討する場合(Part.4)
②M&Aの手続き
ⅳ)デューディリジェンス(Due Diligence)
両社が基本合意をした後、買い手企業によるデューディリジェンス(対象と
なる売り手企業の精査)が開始されます。デューディリジェンスは、弁護士・
公認会計士等の専門家も入れて法務、財務、事業等多様な面から行われます。
主たるポイントは以下のとおりです。
・回収不能債権がないか
・債務保証等簿外債務がないか
・潜在的な租税債務がないか
・適切な会計処理を行っているか
・当該企業の事業・競争環境はどのようになっているか
・環境問題を起こしていないか
デューディリジェンスで問題が発見された場合、基本合意した売却価格の修
正を行うことがあります。このようなことにならないよう、売り手企業は、自
社に都合の悪いことでも最初から「隠し事をしない」という姿勢で臨むことが
必要です。

ⅴ)売買契約書の締結
デューディリジェンス終了後、両者で売買契約書を締結し正式にM&Aに関
する合意をします。売買契約書に含まれる主な内容としては、
・譲渡契約の対象:株式、事業譲渡等
・譲渡価格
・クロージングの方法(資産の引渡し、譲渡価格の決済方法等)
・表明及び保証(売り手企業及び買い手企業が当該M&A取引を実行する能力を持っていることの確認、売り手企業による売却対象事業に関する潜在的
債務等問題点の開示及びそれ以外の問題がないことの確認) 等があります。

ⅵ)クロージング(資金決済)
株式の譲渡、資金の支払い等の決済を行います。

ウ)ポストM&A
M&Aを実行することそのものを最終目的とするのではなく、その後、い
かに経営統合を円滑に進めてゆくかという視点も大変に重要です。買い手企
業と売り手企業とが上手に融和しないと、M&Aが完全に成功したとは言え
ません。企業文化を融和させ、役員・従業員等が新体制のもとでも気持ちよ
く働けるような環境の整備を行うためには、前述の事例2のように、売り手
・買い手両社の合意のもとに、売り手企業の旧経営者がM&A実施後も一定
期間顧問等として会社に残ることも有効でしょう。

③M&Aにおける会社売却価格について
ア)株価の算定方法
実際にM&Aを行う場合、会社が「いくらで売れるか」というのが大きな
関心事項の一つでしょう。最終的には売り手・買い手双方の合意で価格が決
定されるのですが、売却価格の目安が分からなければ、M&Aという選択肢
を検討することすら困難と考えられます。
具体的には、譲渡する株式の譲渡価格をいくらにするかが問題となります。
中小企業のほとんどは非公開会社であり、市場での株価が形成されないため、
次のような点を総合的に考慮して株価を算定するのが通常です。
・過去の経営実績と将来性
・収益性やキャッシュ・フロー(資金繰りの状況)
・個別企業の評価ではなく、企業グループ全体からの評価、場合によっ
ては、企業内の事業単位別の評価

《「事業承継ガイドライン」より抜粋》
( 岡 本  清 臣 )