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税務経営情報 Vol.250

~ 春 うらら ♪ ~

 春に咲く花と言えば、私が最初に思いつくのが「桜」です。以前はあまり季節のことを考えて生活していなかったのか、漠然と季節がめぐっているとしか意識をしていませんでした。しかし、あるとき「木は普通、葉を付けてから花になるのですが、桜は先に花を咲かせてから、葉っぱを付けるんですよ」と聞いて、そう言えばそうだなと実感したことがあります。生物学的(大層なことは分かりませんが)には、花が咲いて受粉をするとすぐに果実ができるという過程があるのに、桜はいきなり花から始まる変わった木だそうです。
 桜というのは日本人の心だと言う方がおられます。なぜかと考えていると、色々解釈はあると思うのですが、私は寒くて長い冬の季節を耐え、そして訪れる淡いピンク色の桜の花びらが、冷え切った心を溶かしてくれるからだと考えています。しかも私が住むこの地域においては、入学式と重なる4月初旬に満開を迎えます。一つの節目と桜の時期が重なるため、特に印象深く感じるのかもしれません。例えば沖縄県では、桜の満開時期は2月上旬ぐらいとなっています。まさか入学式がその時期にはないと思うので、桜の感じ方、とらえ方はちょっと違ってくるのでしょうね。
また北海道や東北では、4月後半となるので、桜=入学式というより、新学期に入ってからの新しい生活が始まったイメージと重なるのでしょうか。したがって桜の持つイメージが、地域地域によって異なるのかもしれませんね。
 今年は、娘が節目を迎えました。ランドセルを背負って毎日通った小学校を無事に卒業することができました。入学当初はクラスになかなか馴染めず、家ではわがままでやんちゃな面があるのに、学校では借りてきた猫のようにおとなしかったみたいです。積極的に行動することがなく(親に似たのか!)、クラス替えがあるとまたクラスになかなか馴染めず、何となく孤立している感じでした。家での会話の中でも、学校の友達の名前があまり出てこなく、どうなっているのかと夫婦でよく心配をしました。授業参観で見る姿、担任の先生からの話からなんとなく彼女の学校生活が見えてくるぐらいでした。
 その彼女が進級するにつれて、変化が見え始めました。運動会のソーラン節で、センターを任されたり、また応援団員になって一生懸命応援する姿を見るようになると、親としてほっとするようになりました。最高学年となり、気の合う友達ができたのでしょう、同じ名前の子が何度もでるようになり、やっと親友と呼べる子ができたのだなと嬉しくなりました。
 そんなことを思い出しながら、彼女の卒業式を見ていました。式が終わり、楽しそうに友達たちと写真を取り合っている姿を見て、やっと蕾が色づき始めた桜のように感じました。6年間という一つの季節が終わり、節目を迎えてやっと咲き始めたさくら。遅咲きでしたが、なんとか咲くことができて、親として嬉しく思います。そして次の季節を迎える頃には、また心を和ます美しい桜を咲かし続けてほしいですね。
 4月に中学の入学式を見に行きましたが、小学校の卒業式ほど感動もなかったのですが、学校の渡り廊下に桜の花びらが舞っている景色が印象に残りました。彼女の桜のイメージはどうだったかは分かりませんが、毎日友達とメール(とうとう携帯を買ってしまいました)をしながら今どきの「絆」をつくりながら、楽しそうに学校に通っています。 ( 岡 本 清 臣)