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税務経営情報 Vol.268

~受験生の親!~

 「この問題の解き方が分からない」と、息子から質問がありました。仕事を終えて、軽い晩酌をした後なので、集中力が散漫としている中でした。問題を見てみると、難関中学の過去の算数の問題でした。

 思い返すと、30年ほど前今ほどではなかったのでしょうが、中学受験が盛んになりかけてきた頃でした。私ももれなく公立の小学校から、私立の中学校に無謀にも挑ませてもらいました。「いい大学、いい就職先を得るために、今頑張るんですよ、全部自分のためですしね」と、親から言われながら、明日の学校の時間割も分からん私に、将来も何もあったもんじゃないと思いながら、勉強をしていました(ふりだけ?)。

 親は、子供を塾に入れれば後は塾の先生が何とかしてくれると思っていたかもしれませんが、目標を持たない私が、友達との遊びを犠牲にして自分だけ(その時は周りに受験する子供が少なかったので)なぜ勉強しないといけないんだと反発していたので、学力が上がるはずもありません。するとこの塾が悪いと、今度は別の塾に通わされました。せっかく友達が出来たのに、また新しい出会いを求めて(別に好きで求めているわけではないですが・・)、さまよっていました。もちろんそこでも、大した変化はありませんでした。

 すると今度は、もっと厳しいマンツーマンで勉強を見てもらえる家庭教師という方法に変わりました。塾に行っては友達としゃべり、行き帰りは寄り道をしてまっすぐに帰らない子だったら仕方がなかったのかもしれませんね(笑)。ここから私に劇的な変化が起こりました。

 それまでなぜ自分だけという意識が強かったので、自分の部屋で勉強していても、ずっと勉強しているはずがありません。こそこそマンガを読んでは、親が階段を昇ってくる足音を聞いてすぐに隠して勉強しているふりをしていました。今から思うと、時間もお金ももったいないことをしていました。

 そんな中その家庭教師の先生は、私が勉強をする間ずっと横についていてくれました。そんなの当たり前だと思いますが、拘束時間の2時間教えて帰る方ではなかったのです、文字通り朝までずっと一緒につきあってくれました。私が寝てからが彼の自分の時間となるようで、自分の勉強をされていました。ずっと一緒にいる中で、大学生活や勉強のこと、将来の話を聞き自分も頑張らないといけないと素直に思えました。そこから一生懸命勉強しました。自分だけなぜしないといけないのかを思っていた狭い世界から抜け出せたし、なにより目標を設定できたのがよかったと思います。でもそれだけではなく、学校に行っている間以外ずっと一緒に頑張ってくれた先生がいてくれたからだと思います。今の私があるのも彼のお陰だといっても過言ではないでしょう(感謝)。

 今、廻り回って、息子が受験生です。親として出来ることは協力しています。妻の方は、送り迎え、資料の整理、採点、単語帳を作ったり等々とそこまでするのかと思うぐらいバックアップしています。夜も遅くまで一緒に起きています。私の方はと言えば、算数の解き方を教えたり、社会・理科は解説をして覚えやすいように語呂合わせを教えたりしています(家に早く帰った日だけですけど・・)。他には家ではテレビを見ないようにしています。なぜならすぐ横で勉強しているからです。だから空いている時間は、本を読んで過ごしています。するとすぐに眠たくなり、悪いなぁと思いながら先に寝てしまいます(笑)。
  息子にとって、今大きな試練を乗り越えようとしています。初めは嫌々やっていたのが、ここにきてやっと自分で進んでやるようになっています。多分、友達の影響も大きいのでしょう。いい友達に巡り合えていると思います。このまま頑張っていってほしいですね。 

( 岡 本 清 臣 )