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税務経営情報 Vol.215

~お祭りで学んだこと~

「子供たちは、わかっているよ」との妻の言葉に、私の今日までの疲れが吹っ飛び、ジーンと感動しました。特に期待をしていたわけではないのですが、親として子供に教えられることの一つとして、自分が一生懸命がんばっていると必ず周りは見てくれているし、それに応えてくれるということです。今回は子供達が、太鼓を通じて地域の人に対して元気を与えているつもりが、逆に自分たちが元気にさせられたとわかったことが大変うれしかったです。
 この5月10日に伏見の羽束師神社で春の祭りがありました。そこは3年前、70年ぶりに御神輿が復活して地域の絆を作ろうとしているところです。そこで、去年私たち太鼓チームが太鼓の演奏をさせていただいたのですが、好評(?)で、今年もお願いしますということになりました。今年は、去年の私たち大人のメンバーに加えて私たちの子供たちのチームも参加することになりました。
  またこれらのチームとは別に、今回は京都府の支援を受けて地域の住民による地域力の活性のため、私たちが地域の住民による太鼓チームをこの3月に立ち上げました。そして、土曜日に神社で春祭りに向けて太鼓の練習を行っていました。もちろん私たちだけでは教えることが出ないので、私たちの太鼓の先生を中心に、先生が作曲したオリジナルの羽束師太鼓を練習しました。今まで私は教えてもらう側でしたが、今回は教える側になりました。
 初めは地域の人がどれだけ集まるか不安でしたが、そんな心配はなく太鼓の音が響いてくると自然と人が集まってきました。すると、その中で中心になる方がでてこられ、幼児から年輩の方がいるチームをまとめていかれます。私たちは、その補助をしてきました。するとだんだん地域の方々の絆ができはじめ、世代を越えて楽しそうにしているのを見ると、もっともっと地域の輪が広がるように私自身がんばるようになりました。
そして本番当日、オープニングで地域の方々による演奏が始まりました。みんなの一生懸命で嬉しそうな顔を見たら、本当にやってきて良かったなと思いました。ある方から、「今まで長い間この地域に住んでいますが、あまり関わり合いがありませんでした。しかし今回太鼓通じて神社の祭りに参加できて本当に良かったです、ありがとうございます。」と言って頂きました。途中、「いつまで続けたらいいのだろうか?」とか、「自分のわがままで地域の方々を巻き込んでしまって申し訳ない。」などいろいろ考えていましたが、そんなことはすっかり吹き飛びました。でも、自分が演奏するより、見ている方が緊張しました(笑)。次に私たちの演奏が終わった後、御神輿が地域を巡行するのですが、その先導として軽トラックの荷台に太鼓を載せて、子供達と一緒に大声で「わっしょい!」と叫びながら出発しました。長い時間乗っているにもかかわらず、子供達は「わっしょい、わっしょい!」と応援してくれている地域の方々に声援を送ります。
次第に「わっしょい!」が「こんにちは!」に替わったりしてきました。すると沿道の方々がまた笑顔で「がんばりや」とか声援を送ってくれました。それを子供が日記で、『みんなが元気になったように、ぼくも元気になったぞ。(中略)元気がでてきたので、みんなにありがとうという気持ちでした。』と書いていました。
こういうことを学ぶことができたのは、私一人の力で出来るわけはありません。地域の方々、家族はもちろん、チームメイト、仕事仲間等の周りの人と人の繋がりによって出来ました。本当に感謝の心でいっぱいです。

(岡 本  清 臣)

~裁判員制度~

Ⅰ 刑事裁判に関する基礎知識編
①刑事裁判とは
●刑事裁判にかかわる人たち
刑事裁判にかかわる専門家を紹介します。
▼ 裁 判 官
法律では,法廷で事件について審理をして判決を言い渡す主体を「裁判所」と呼びます(ニュースなどでも,「東京地方裁判所は,○○被告を懲役20年とする判決を言い渡しました。」といった報道がされます。)。ただし,「裁判所」といっても,実際に裁判を行うのは「裁判官」です。現在の第一審では,一定の重大な事件などは裁判官3人の合議体で審理・判決をします。それ以外の事件は,裁判官1人(単独体)で審理・判決をします。
裁判所(裁判官)は,法廷で事件の審理をする際,審理の内容を整理し,進行する役割を果たします。合議体で審理する場合は,真ん中に座っている裁判長がその役割を担当します。
裁判員裁判では,6人の裁判員と3人の裁判官が「裁判所」を構成し,1つのチームとして,上記の「裁判所」の役割を果たすことになるのです。
▼ 検 察 官
検察官は,犯罪の捜査を行い,捜査によって集めた資料(証拠)に基づき,犯人だと考える人を起訴します。
また,法廷での審理に立ち会って,証人尋問など証拠により犯罪を証明するための活動(立証活動)を行います。
 検察官は,法廷で,起訴した事実(犯罪事実)を証明する責任を負う立場にあります。
▼ 弁 護 人
被疑者や被告人は,弁護士を弁護人として選任することができ,一定の場合には,国に弁護人の選任を求めることもできます。
弁護人は,被告人の権利を守るため,被告人に対して法律の専門家としての助言をするとともに,法廷に立ち会い,被告人のために意見を述べたり,被告人のための立証活動をします。例えば,検察官が請求した証人の証言の信用性を争うための尋問(反対尋問)をしたり,被告人に有利な証人を請求し,質問(尋問)します。また,被告人に質問してその言い分を引き出したりします。さらに,事実関係に争いがない場合でも,例えば,被害の弁償を行ったり,被害者との間で示談をするなど,被告人の刑を軽くするための活動もします。

②刑事裁判の流れ
●第一審の刑事裁判の流れ
第一審の刑事裁判は,検察官が被告人を起訴することによって始まります。起訴は,起訴状という書面を裁判所に提出して行います。
◆◆ 裁判所がすることは ◆◆
起訴状の「公訴事実」の欄には,被告人が犯したと検察官が主張する犯罪事実が具体的に書かれています。
裁判所は,起訴状に書かれた犯罪を被告人が犯したのかどうか(有罪かどうか),犯罪を犯したと認められる場合にはどのような刑にするか(「量刑」といいます。)を判断します。
裁判は,公開の法廷で行われます。法廷で行われる刑事裁判の審理及び判決の手続を「公判」といい,公判を行う日を「公判期日」といいます。
・争点を明らかにする
法廷では,検察官が起訴状を読み上げた後,裁判所が被告人に対し,被告人が犯した犯罪行為であるとして起訴状に書かれている事実についての言い分を尋ねます。この場合,被告人は,「起訴状に書かれた事実は間違いない」と事実を認めることもあります。逆に,「起訴状に書かれた犯罪行為は一切行っていない」と起訴状に書かれた事実のすべてを争うこともありますし,その一部を争うこともあります。
このように,検察官の主張と,被告人側の言い分を聞くことによって,どこに争いがあるのか(争点は何か)が明らかになります。

《「裁判員制度ナビゲーション」より抜粋 》  ( 岡 本  清 臣 )